CCDOPS(SBIG社製CCDカメラ標準制御ソフト)機能・クローズアップ
「キャリブレート → CCDOPS・Ver5.47Jソフト機能一覧取り説55ページに掲載



キャリブレート(Calibrate)とは、、、
SBIG社製冷却CCDカメラを使って「オートガイド」を行なう前には、お使いのモータードライブシステムとガイド鏡筒との組み合わせの中で「実際に動作するモーターの反応度」を、予めCCDカメラ側に学習させる必要があります。
この作業を「キャリブレート」と呼び、CCDカメラでのオートガイドには欠かせない絶対必要なプロセスと同時に、このプロセスの内容・結果次第でこれから始める「
オートガイド」の成功率/精度に大きく関わってきます。

以上の事から、SBIG社の冷却CCDカメラを「オートガイダー」としてお使い頂く際に、少しでも高精度なガイディングが実現できますように、皆様「SBIGカメラユーザー様」の皆様へ少しでもお役に立てますようにこのページをアップロード致しました。

このページの内容をフルにご活用頂き、少しでも高精度なキャリブレート・
オートガイドを行なっていただけます様、心よりお祈り申し上げております。


対応機種: 

SBIG社製の一部を除く全てのCCDカメラ機種。(非対応:ST-4/ST-V/SG-4など。)
 ※2012年2月現在、ST-8300/ST-X/ST-iシリーズは英語版での対応となります。
 (コマンドの配置/系列は英語版でも下記と同様です。)

必要パーツ: 


準備が必要なもの: 

各種CCDカメラのセットアップ(パソコンへの通信確立、温度設定など撮影準備のすべて)・オートガイド用ケーブルの接続(→動作確認方法はこちら)・望遠鏡のセットアップ(全般)などなど



〜 まずはCCDカメラ本体の取付け角度(方向)をご確認下さい 〜




※写真はST-4000XCMの様子。





上記はCCDカメラを正しい角度に取付けた場合の様子です。カメラの機種に関わらず、要は「CCD素子の配置に対して」直角度(90度単位の配置)の方向になるようにCCDカメラを取付けます。具体的には、制御ソフト内の「フォーカスコマンド」等を利用して、各矢印方向のモーターを実際に駆動させ、モニター上に写し出される対象がそれぞれの方向に平行に移動してゆく状態までCCDカメラ本体の取付け角度を調整します。
より高精度なキャリブレーション(オートガイド)の為には
必須の調整項目です。より精度の高いセッティングを心掛けてみて下さい。




それでは実際の操作方法について触れてゆきましょう!


↓ まずは以下のコマンドを実行します ↓



↓ 次に以下のパラメータを確認します ↓



解説

上記のウインドウは、キャリブレーション後に実際にオートガイドを行なう際の「詳細設定」コマンドとなっておりますが、今回はキャリブレートを行なう前に上記「有効修正軸」のみを確認します。
お手元の
架台が「2軸モータードライブ」の場合、上記「4方向(+X/-X/+Y/-Y)」の全てにチェックマークが必要となります。なお、このチェックマークが外れている軸方向は「キャリブレート」及び「オートガイド」の際に一切の動作が行なわれません。くれぐれもご注意下さいませ。

なお、その他のパラメータにつきましては、「キャリブレート」には一切無関係となります。最後に「OK」をクリックします。


↓ いよいよ「キャリブレート」開始です! ↓



↑ 上記のコマンドを実行します ↑

↓ 次に以下のパラメータを確認します ↓



露出時間: 
ガイド星を検出するための「露出時間」。単位は「秒」です。
X時間: 
キャリブレートのためのモーター動作時間を設定。一般的には「X=赤経モーター」「Y=赤緯モーター」ですが、CCDカメラの取り付け方向・ご使用のオートガイドケーブルの種類により対応する軸方向が入れ代わる場合がございます。なお、この軸方向がどちらがどちらに対応しましても全く問題はありません。入力単位は「秒」です。

Y時間: 
修正赤緯量: 
ガイド星の「赤緯度値」を入力します。
ステップ: 
入力数値分に分けてキャリブレートを行ないます。より具体的なご利用方法につきましては、CCDカメラに付属の「CCDOPS機能一覧取扱説明書」の55ページをご参照下さい。
アクティブCCD: 
デュアルCCD素子搭載機種やリモートCCDカメラヘッド対応機種の場合にのみ、その他のCCD素子を指定してコマンドを実行可能。
ログを残す: 
このチェックマークを入れる事で、キャリブレートのログ(記録)を残す事が可能です。このログとは実際に動作したガイド星の軌跡(座標移動)をテキストにしたのもです。通常は記録の必要はないものと考えられます。

解説

キャリブレートを効果的に完了するためには、様々な工夫が必要となります。
更に詳しくは、
CCDカメラに付属の「ハードウエア取扱説明書」の「クリックマニュアル<オートガイド編>」の「BIG Topics・キャリブレーションについて」の章をご参照下さい。
各パラメータが設定できましたら、最後に「OK」をクリックします。


↓ すると ↓





解説

まずはライトフレームの撮影が行なわれ、下記の「ガイド星位置」が検出され、その後に「+X」方向から順にリレーが動作します。(計4方向)
そして、全ての動作が完了すると、以下のようなダイアログウインドウが現れます。




ガイド星位置: 

ガイド星がどういった軌跡で移動検出されたかを「ピクセル座標」で表示。上記数値はそのままCCD素子の画素配列に対応しています。

キャリブレーション結果: 

上記「ガイド星位置」からCCDOPSソフトウエアが計算を行ない導き出した結果のパラメータ係数。上記係数には直接的な意味はなく、あくまでもソフトウエアが管理するパラメータとなります。数字右側(/の右)はガイド星の移動軌跡の、それぞれの角度を表示。理論的には「90度」「270度」「0度」「180度」が完璧となりますが、一般的には数度程度の誤差が出る場合がほとんどです。

(十字グラフ): 

上記キャリブレーション結果をグラフ化表示したものとなります。

クリップボードにコピー: 

これらのキャリブレート結果をテキストとして保存する場合にはこのボタンをクリックします。必要のない場合には何もしないでおきます。


解説

上記がキャリブレート完了の一例です。グラフを見る限り、多少の精度の甘さがあるものの、まずまずの結果で、ほとんどの場合にはこのままオートガイドに進んで頂いても問題ないものと考えられます。

ここで万が一、「キャリブレーション結果」箇所に何らかのエラーが表示されている場合には以下の「
キャリブレートの成功の秘訣・ポイント」やCCDカメラに付属の取扱説明書等をご参照の上、 今一度「キャリブレート」をお試し下さい。(お使いのケーブルの動作確認方法はこちらより。)

それでもなかなか上手くいかない場合には、その他の根本的な必要改善点等があるかも知れません。

この点につきましてはCCDカメラを含め、望遠鏡システムをご購入の販売店までお問い合わせ下さいませ。



以上にて「キャリブレート」の解説は終了です。SBIG社ならではの「特殊コマンド」であなたの冷却CCD天文ライフをご満喫下さい!


「キャリブレートの成功の秘訣・ポイント」


キャリブレート時に使用する「ガイド星」は、CCD素子上の中の「最も明るい恒星」が自動的に利用されます。
万一、キャリブレート中にガイド星が視野の外に外れてしまう場合にはフォーカスコマンド等を利用して
ガイド星をCCD素子の中心に再配置してからキャリブレートを行なってみて下さい。

キャリブレート時に利用する「モーター駆動速度」は、コマンド実行時に設定されている
「架台側のモーター倍速」となります。
また、この時のモーター倍速は
微速(対恒星時の100%以下が望ましい)程度に設定、動作時間(上記<X/Y時間>)を長めに
設定する
ことがポイントです。微速でより大きなモーター動作を行なわせるのが、より高精度のキャリブレート取得の秘訣です。

キャリブレート時には、CCDカメラヘッドの
取り付け角度が非常に重要です。
CCD素子上の
「X軸・Y軸」を「赤経・赤緯」にそれぞれ平行に対応させる必要があります。
なお、この際には「フォーカス」コマンドを利用して実際に
各軸のモーターを実際に動作させ、
フォーカスコマンド画面に向かって「平行/垂直」方向に視野が移動するよう
にCCDカメラの取付け角度を調節します。

更なる詳細につきましては、CCDカメラに付属の各取扱説明書をご熟読下さいませ。

以上、ご質問等がございましたら、下記よりお気軽に専属のスタッフまでご相談下さい。



コマンドアクセス:
「CCDOPSソフトウエア(Ver5.47J)」「トラック&アキュミレート」「キャリブレート」
コマンドの詳細:
「CCDOPS Ver5.47J」機能一覧取扱い説明書の「55ページ」に各パラメータについての詳細解説がございます。





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