CCDOPS(SBIG社製CCDカメラ標準制御ソフト)機能・クローズアップ
「トラック&アキュミレート → CCDOPS・Ver5.47Jソフト機能一覧取り説53ページに掲載



トラック&アキュミレート(Track & Accumlate)とは、、、
「トラック(追尾)」「アキュミレート(蓄積する)」がそのまま一つの撮影コマンドになった、これも「SBIG社が特許を有する」特殊撮影コマンドで、概略として「自動コンポジット撮影」と言えます。
予め、「1枚の画像の露出時間」と、重ね合わせる画像の「枚数」などを一括で指定する事で、最終的には
「コンポジットされた」画像が取得出来ます。これにより、特に「明るい対象」を「F値の明るい光学系」で容易に取得したり、追尾精度のあまり高くない架台での撮影や、「トップヘビー」な望遠鏡システム、更には過剰搭載の望遠鏡での撮影になど、利用範囲は無限大です。非常にオススメの「簡単撮影」法です。


対応機種: 

「ST-4」「ST-V」「SG-4」「ワンショットカラー機」を除く、全てのCCDカメラ機種。
 ※コマンドの実行は可能。ただしモノクロ画像の取得となります。(カラー化不可)
 ※2012年2月現在、ST-8300/ST-X/ST-iシリーズは英語版での対応となります。
 (コマンドの配置/系列は英語版でも下記と同様です。)

必要パーツ: 

上記各種「CCDカメラ」一式・CCDOPSソフトウエア(Ver5.47J)・リレー接続ケーブル(推奨)

準備が必要なもの: 

各種CCDカメラのセットアップ(パソコンへの通信確立、温度設定など撮影準備のすべて)・キャリブレーション&オートガイド用ケーブルの接続(「トラッキング」パラメータを「リレー」もしくは「両方」と指定した場合のみ)・望遠鏡のセットアップ(全般)などなど、本番撮影の準備全般。



それでは実際の撮影方法について触れてゆきましょう!


↓ 通信確立後、以下のコマンドを実行します ↓



↓ 次に以下のパラメータを設定します ↓



(スナップ)露出時間: 
メインCCD素子で撮影する「露出時間」。単位は「秒」です。
(スナップ)撮影枚数: 
撮影枚数(トータルコンポジット数)を指定します。
フレームサイズ: 
メインCCD素子のどれだけのエリアを使用して撮影するかを指定。
ダーク撮影インターバル: 
ダークフレームの取得インターバル。ダークフレームを「指定数枚数」ごとに撮影します。
トラッキングモード: 
追尾方法を指定。(アライン:「画像コンポジット」のみ/リレー補正:「モータードライブのリレー補正」のみ/両方を利用:どちらも併用)指定したパラメータでトラック&アキュミレート撮影を行ないます。
修正赤緯量: 
ガイド星の「赤緯度値」を入力。
撮影方法: 
撮影方法を指定します。通常撮影:「通常モノクロ撮影」/カラー撮影:こちらの撮影方法」を併用してトラック&アキュミレート撮影を行ないます。

↓ 「OK」をクリックすると ↓



解説

まずはダークフレームの撮影から開始されます。




解説

次にライトフレームの撮影が開始されます。




解説

「ダークフレーム」が自動減算された「ライトフレーム(これが1枚目の画像)」が表示されました。この画像内よりコンポジットの基準となる「基点(ガイド星)」をマウスクリックで指定します。


↓ 「再開」をクリックすると ↓



解説

ガイド星周辺の画素がクローズアップされ、ガイド状況が記録され、同時に2枚目の画像の露光が開始されます。




解説

3枚目の撮影が開始されました。順調に撮影が進行してゆきます。




解説

全ての画像の撮影が完了しました。パラメータは表示の通りです。




解説

次に「トラックリスト」の保存を選択します。このトラックリストとは、今回の撮影での「画像の位置ズレ(計5枚分)」のテキスト記録です。このリストは、取得した画像用の「フラットフィールド処理」の際に必要となるものです。(保存を推奨。)

 以上で「トラック&アキュミレート」の撮影コマンドは完了です。(画面に表示の画像の保存をお忘れなく。)



ちなみに、この撮影法による各単体の画像は以下のようになります。(通常では分解表示不可の為、イメージ画像で解説を代用)









画像1 画像2 画像3






以上の「5画像」が
次々と
自動合成され




画像4 画像5


↓ ↓ ↓ 完成された画像が ↓ ↓ ↓


トラック&アキュミレートでの作例(NGC2024:合計15分)


撮影データ(NGC2024)
 撮影システム  鏡筒:弊社製25cmF4ニュートン反射/ 架台:ペンタックスMS-5赤道儀
 使用CCDカメラモデル  SBIG製「ST-8・NABG」(現行機種はこちら)/CCD素子エリア:ハーフサイズ
 露出時間(など)  合計15分/3分 x5枚を自動コンポジット。
 撮影場所/撮影者  奈良県・大台ヶ原/弊社スタッフ(T.坂田)
 備考(メモ)

当日はとにかく「強風」でセルフガイドもままならない状況下、思いついたのがこの「トラック&アキュミレート」撮影。剛性の強い「MS-5」赤道儀で、大口径でF値の明るい「ニュートン光学系」を使用、基本的にはノータッチガイディングとなるため、より短時間での撮影を余儀なくされましたので描写程度を少しでも高めるために「R64フィルター」を併用。
なお、近くの「三つ星」による「ブルーミング」を回避するためにCCD素子受光エリアを「ハーフ」に設定、ST-7シリーズ(KAF-400/39万画素)と同じ解像度で撮影しています。



コマンドアクセス:
「CCDOPSソフトウエア(Ver5.47J)」「トラック&アキュミレート」「トラック&アキュミレート」
コマンドの詳細:
「CCDOPS Ver5.47J」機能一覧取扱い説明書の「53ページ」に各パラメータについての詳細解説がございます。


以上にて「トラック&アキュミレート」の解説は終了です。SBIG社ならではの「特殊コマンド」であなたの冷却CCD天文ライフをご満喫下さい!




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