システム構成
STVは、CCDヘッドと制御用のコントロールボックスで構成され、CCDヘッドにはCCD素子及び電子基盤とペルチェ冷却装置からなります。CCDヘッドは、長さ2.5メートルの専用ケーブルでCPUコントロールボックスと接続されます。動作電圧はDC12Vです。CCDヘッドには「アメリカンサイズ」31.7mmスリーブが付属しており、このスリーブを望遠鏡の接眼部に差し込みます。
STVは素晴らしいオートガイディング性能を持っています。まず、CCDヘッドのスリーブ部をガイド鏡やオフアキスガイダーの接眼部に挿入し、ガイドアイピースの代りとして使用できます。なお、STVは同社ST4と比べ、およそ30倍の感度を誇り、ガイド星の導入が容易になります。
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STVは、ご希望に応じて、コンピューター及び外部モニターといつでも簡単接続できます
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STVを制御するにあたり、コンピューターやテレビモニター等は必要と致しません。オートガイディング時にもイメージング時にも、CPU上の5インチLCDモニターで。目的天体又はガイド星の表示を見ながら、操作をし、天体やガイド星の選択、ピント合わせやキャリブレーションすべてが容易に行なって頂けます。
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STV撮影のM13モノクロ画像
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STVを実際使用すれば?
STVはオートガイダーであり、長時間露光可能なデジタルビデオオカメラです!
オートガイダーとして...(推定露出時間:数秒程度)
STVはオートガイダーとして強いコンセプトを持って開発されました。今回SBIG技術スタッフは、10年前にST4を開発し、世界中のお客様へ届けてきました。その中で新たに得たオートガイド装置としての膨大な量の『ノウハウ』をSTVにも数多く導入することに成功しました。
当初の構想を遥かに超越しえたSTVは、最新技術採用でST4ですら感知できないガイド星ですら感知し、ガイド星と成り得ることの可能な『超高感度の目』と『最新のインターフェイス』を有した21世紀型とも言える最新オートガイダーです。
STVは、スタンドアローン(制御機器が不要)のオートガイダー/ビデオカメラです。STVに取り込まれた画像は、パネル上の5インチモニターに表示され、その映像は付属のビデオケーブルで、テレビなどの外部モニターでも同時表示することができますので、グループ観望に最適です。又は、STVのLCDモニターを見ながら、ハンディカムなどで録画も同時に行えます。
パネル上に2行/24文字まで表示可能なアルファヌメリック・ディスプレイ(赤文字/黒地)では、コンピューターなしでSTVの各メニュー及びモードへのアクセスを可能にします。アルファヌメリック・ディスプレイの表示を『分析モード』に切り替えることにより、画像内の恒星の光電測光や離角などのデータの表示も容易にできます。
DISPLAYモードは、下記情報を表示します:
a) 取込まれた画像
b) 時間と日付けなどのパラメータ
c) 入力されている望遠鏡の焦点距離及び口径によって計算されるスケールバー
d) 露光・枚数などの撮影状況
長時間露光できるデジタルビデオカメラとして...(推定露出時間:30秒〜600秒)
STVは指定した露出時間での撮影を行い、即座に付属の5インチモニター(ケーブル併用で外部モニターにも)にてリアルタイム※で表示します。「長時間露光」というのは、一般的なビデオカメラのシャッタースピード(およそ1/30秒)以上の露光がかけられるということを意味します。取り込まれた画像はビデオデッキなどで録画も可能です。
※ モニターに写し出される画像の更新速度は、選択された撮影モードと露光時間によります。例えば、STVのセットされている露光時間が1秒以上の場合は、新しい露光時間が終わるまでビデオの更新は行えず、以前取得された画像がそのまま表示されたままとなります。逆に、1/1000秒のような非常に短い露光の場合、更新速度は1秒間に最大16フレームのスピードで更新します。
デジタルカメラとして...(推定露出時間:0.01秒〜数秒)
STVで取得されるデータはデジタル出力されます。一般デジタルカメラと同様に、画像を本体の内蔵メモリーに保存でき、その保存された画像はコンピューターへ簡単に転送可能です。転送された画像は、CCDOPSやSBIGフォーマットが読めるサードパーティソフトウェアで開いたり、加工したりできます。OS(パソコンの基本になるソフトのこと)を選ばない『TIFF』フォーマットへの変換も可能です。
電子ファインダー:
写真撮影時やCCDカメラで撮像する前の構図確認等に、STVは強力な「電子ファインダー」として役立ちます。STV CCDヘッドをサブ鏡筒などにセットし表示される画像は、各種星図やファインディングチャートに相当する星域を瞬時に表示します。さらに露光時間を延ばすことにより、検索中の天体を簡単に表示させることもできます。この便利な機能は下記の作例からも分かるように、CCD撮影の作業効率を大幅にアップすることは間違いないでしょう。
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口径20cm望遠鏡でわずか1秒の露光で姿を見せたM31とM13です。驚くべき撮影能力です。 |
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シーイングモニター:
選択された恒星のFWHMに対するシーイング状況を2/10の間隔でモニター上に表示させることができます。シーイング状況を把握することが、撮影を成功させる秘決の一つです。
赤道儀追尾精度テスト:
ご使用の赤道儀の赤経/赤緯追尾エラー(PEC)の状況をグラフとして表示可能です。(下図参照)
ディスプレーモード:
下記の画像では、STVの色々なディスプレイモードの詳細がわかります。ピント合わせを早めるために、標準またはズーム表示のパーシャルフレームモードを選択できます。このモードにすると、標準のイメージングモードに比べて、更新頻度が約2倍になります。下図外枠はグレーとなっていますが、これはレイアウトによるもので、実際のモニター上では黒色になります。また、撮影中の日時等の情報は画像の外周部に表示され、画像ファイルのヘッダーへは登録はされますが、画像には表示されません(フォーカスまたは分析モード)
広視野「WIDE」ディスプレーモード
656 x 480画素のフルアレーが、 3x3ビニングをして表示されるので、チップの全視野がLCDモニターに表示されます。日時が画像領域外側のビデオフレーム右下隅に表示されます。
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標準「NORMAL」ディスプレーモード
チップの640 x 400の部分が2x2ビニングをして表示されるので、画像の全幅がLCDモニターの幅に収まります。日時が画像領域外側のビデオフレーム右下隅に表示されます。
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ズーム「ZOOM」ディスプレーモード
CCD素子の中央の320 x 200の部分がビニングなしで表示されるので、画像の幅がビデオモニターの幅に収まります。日時が画像領域外側のビデオフレーム右下隅に表示されます。
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独自のイメージングモードに、グリド「GRID」ディスプレー
このモードでは、6本の水平および垂直線のビデオオーバーレイによって、9つの十字が作成され、STVを手動でガイディングする場合にガイド星をビジュアルに配置できます。日時が画像領域外側のビデオフレーム右下隅に表示されます。
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分析「ANALYSIS」モード
このモードでは、右図の様に十字線のX/Yの座標値、その画素に対するの情報、更には平均値などの幾種類かの情報が表示され、ビデオモニター上の移動可能な大きな十字は、STVの2つの回転ダイアルでそれぞれの位置を移動します。十字を画像の任意の場所に置いてSTV本体上の「SELECT」ボタンを押します。最初の選択でバックグラウンドが測定され、自動的にその場所が小さなボックスで印付けされます。それから、ダイルを廻して、十字を異なる星に移動したり別の場所に移動すると、デジタルディスプレーに自動的に十字の下の星の等級が表示されます。「SELECT」ボタンをもう一度押すと、この2番目の場所が小さな十字で印付けされます。十字を3番目の場所に移動すると、自動的にSTVのディスプレーに前の星(又は小さな十字で印付けられた場所)との離角が秒角で表示されます。上述のディスプレーモードの他に、STVには複数の分析モードがあり、シーイング、ピリオディックエラー、ガイド精度を測定できます。 |
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STVをいつも自由自在に使っていただけるため、露出時間は各種コマンド実行中でも設定可能です。ピント合わせなどの作業を効率良く行なえるようになっております。 |
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その他の使い方
STV専用「電子ファインダー」の必要性:
この「電子ファインダー」は、口径25mm/F4の望遠鏡として利用する事ができ、ガイド望遠鏡や広視野望遠レンズに置き換え使用頂けます。(下図参照)
電子ファインダーをSTVのCCDヘッドにねじ込むだけで、約2.7°もの視野をイメージングできるようになります。この組み合わせでは、あの有名なユラノメトリア星図に掲載されたいるデータ(極限等級9.5等)に致しましては、わずか3秒程度の露光で写し出すことが可能です。
また、下図のように、オートガイダーとしてご使用頂く場合にも大変有効で、別のガイドスコープなどを備える必要はなくなります。
更には、このセットにあるレンズを使用することにより、0.63倍の専用レデューサーとしてもお使い頂けるようになります。(付属の延長筒と併用でMAX0.375倍まで焦点距離を短縮可能です。)
STVは天体用CCDカメラのパイオニアである米国SBIG社が自信を持って世界中に送り出す、最新鋭のハイテク装置です。アマチュア天文市場初の冷却蓄積できるビデオCCDカメラおよびオートガイダーのSTVの標準装備には、ペルチエ空冷却されたCCDヘッド(Tネジ対応。そして、1/4インチカメラ三脚取り付け穴付き)、内蔵5インチ型LCDビデオディスプレー、取り外し可能な31.7mmノーズピース、アルファヌメリックディスプレー付き制御CPU、ワニ口クリップ付きの12VDC電源ケーブル、月など明るい天体画像を減光する内蔵減光フィルターが含まれています。ありとあらゆる先進機能を有し、貴方の最良のパートナーとなること間違いありません!
STV各種機能詳細
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完全スタンドアローン単独使用可(コンピューター不要)
- 標準NTSCビデオイメージング可
- 映像は付属の5インチモニター又は任意の外部モニターで表示可
- オートガイディング可(以前のST4より約30倍の感動あり)
- 内蔵メモリで映像保存可
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コントロールパネル:
- 11ボタンキーボードと設定切り替え用回転スッチx2ケ
-2行/24文字LEDアフラヌメリックディスプレー
- 5 インチ液晶モニター
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映像フォーマット:
- 一般テレビやビデオと接続可
- コンピューターへのデジタル映像転送用RS232出力
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フォーカスモード:
- サブフレーム表示、ズーム表示も可
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イメージングモード:
- 露光時間0.001〜600あで調整可
- フルフレーム及びズーム表示可
- ワンショット又は自動更新表示切り替え可
- トラッカム(自動蓄積)モードあり(特許取得済み)
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モニターモード:
- 大気のシーイング状況の測定可能
- 赤道儀のピリオディックエラー測定可能
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十字表示モード:
- 表示明るさとコントオラス調整可
- 恒星高度測定可能
- 恒星離隔測定可能
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トラッキングモード:
- ガイド星は自動又は手動で取得可
- 赤道儀は:現在位置/前回位置/表示された位置へガイドさせること可
- カーサル又は指定された恒星をガイド星に指定できます
- トラッキングの絶対の精度を 0.1〜2.0までの設定で調整可
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ファイルモード:
- 映像の表示
- 映像をメモリーへ保存
- 表示中の映像をダウンロード
- メモリー在中全映像をダンロード
- 表示中の映像を削除
- メモリー在中全映像を削除
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キャリブレートモイード:
- キャリブレート用ガイド星は自動又は手動で選択可
- キャリブレート露光 0.01〜 99.9秒まで調整可
- キャリブレート移動は、一部のみ又は全体を一度の切り替え可
- キャリブレート時間 0.1 9.99秒まで調節可
- アクティブリレー: X 及び Y, X のみ, Y のみの指定可能
- キャリブレーション結果はグラフィカルで表示可
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セットアップモード:
- 時間/日付け設定
- モニター上のグリッド表示
- ナイトビジョンをon又はoffにできます
- モニターの表示をon又はoffにできます
- 単位を inch又はcmで切り替え可
- 望遠鏡焦点距離入力可
-望遠鏡口径入力可
- 望遠鏡タイプ(反射又は屈折)を入力可
- 複数の観測地のIDナンバーを入力可 (1~155まで)
- ビデオテストパターン1表示 (ボックス)
- * ビデオテストパターン2表示 (グレースケール、0〜maxまで)
- ダークバランスのビデオオフセット調節可
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オプションコマンドモード:
- セルフテスト
- シャッターをあける
- シャッターを閉じる
- シャッターを回転する
- CCDチップ温度表示
- 映像ノイス測定 (アベレージ及びRMSノイズ)
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ビデオ出力:
- NTSC- 水平525線/720画素/ 線にて
- PAL 表示切り替え可
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CCDチップ:
- Texas Instruments社 TC-237H
- 高感度フレームトランスファー (電子シャター) CCD
- 656 x 480画素アレー / 画素面積7.4 x 7.4μ
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映像表示モード:
- Normal = 640 x 480/2x2ビニング使用
- Wide = 656 x 480 /3x3ビニング使用
- Zoom = 320 x 200 /1x1ビニング使用
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映像ビット数:
- 1x1ビニングモードで10ビット
- 他ビニングモード及びトラッカムモードは16ビットまで
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CPU 重量:
-1.8kg(5インチ液晶モニター付き)
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CCDヘッド重量
- 約0.4kg
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CCDヘッド寸法
- 8.3 x 4.4 cm
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CPU寸法:
- 29.5 x 23.7 x 6.7 cm
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STVスペック一覧
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CCDチップ |
米国TI社 TC237H(656 ×480/314,880 画素、6.9 ×4.6mm ) |
冷 却 |
一段空冷ペルチェ装置(自動温度設定) |
シャッター |
回転式機械式シャッター内蔵 |
減光フィルター |
減光フィルター内蔵 |
映像出力方式 |
5"LCDモニター/アナログビデオ出力/RS232(パソコン) |
露光時間 |
1/100 秒〜600 秒まで設定可 |
モニターリフレッシュ速度 |
最大 1/10 秒 |
内蔵メモリー |
最大14 枚の映像保存可 |
遠隔操作 |
付属の専用ソフト及びRS232 ケーブル併用で、パソコンからの遠隔制御も可能 |
モニター |
5 インチモノクロLCD液晶モニター内蔵 |
ディスプレー |
2 行/24 文字表示LED アルファヌメリック・ディスプレイ |
オートガイド接続 |
オートガイド端子付き(LX200専用接続ケーブル付き) |
基本操 作 |
本体付属ボタン及びダイヤルで操作 |
感 度 |
口径20cm 使用で1 秒の露光で約14 等級(60 秒で約18等級) |
コントロールボックス寸法 |
高さ240mm × 幅300mm × 厚み70mm (約 2.5Kg ) |
CCD ヘッド寸法 |
高さ95mm × 幅85mm × 厚み50mm (約 500g ) |
CCD ヘッド取り付け方 |
31.7mm スリーブ及び雄T ネジ付き、三脚取り付け可 |
ヘッドケーブル長さ |
15フィート(約 2.5 メートル) |
使用電源 |
12VDC |
消費電流 |
最大2A |
標準付属品
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31.7mm スリーブ、12VDC カーバッテリー対応電源ケーブル(ワニ口クリップ付き)、RS232 ケーブル(D-sub9pin)、「STV REMOTE 」STV 専用制御用ソフト、LX200 対応リレーケーブル(オートガイド用)、長さ2.5 メートルビデオケーブル、日本語取扱説明書 |
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オプションパーツ
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STV価格表
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STV 標準仕様一式 |
完売!
(¥365,400-)
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STV + CFW-STVプリーセット 仕様一式 |
完売!
(¥396,900-)
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STVは完売となりました。全国の皆様から数多くの
ご注文下さいまして誠にありがとうございました!
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SBIG社製品日本輸入総代理店
SBIGJapan(国際光器/株式会社マゼラン)
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