SBIGの「SGS」セルフ・ガイディッド・スペクトグラフ(分光器)は、主にST7と併用するように設計されております。ST8/9/10/2000との併用も可能ですが、それぞれのカメラチップ面の大きさをすべて活かすことが出来ません。SGSは、CCDカメラと接続し、望遠鏡の接眼部に挿入します。SGS利用のスペクトル測定の大きな利点は、目標天体とSGSの分光器のスリット両方が、同時にトラッキングチップの映像で写ることです。これで測定したい天体は容易にスリット内に導入できます。SGS分光器スリットは、LEDで照明され、スリットの位置ははっきりとトラッキングチップ上に写ります。赤道儀のコントローラーで目標天体をSGSのスリット内に一旦導入すれば、ダブルチップ方式のST-7のセルフガイディング機能で、その天体を長時間厳密なオートガイドが開始できます。
測定中の天体とSGSのスリットは、同時にトラッキングチップに写り、その天体が逃げないように、セルフガイディングで厳密に追尾します。測定中の天体のスペクトルデータはCCDカメラのイメージングチップで撮り、チップの長方形の幅763ピクセルを利用して映像データを取得します。恒星スペクトル測定の場合は、高さ16ピクセルのチップ面積を使用してイメ−ジング出来ます。
SGSがあらゆる観測に幅広くして頂けますように、グレーティング2ケとスリット2ケが標準装備です。標準使用のグレーティングは1mm当たり150線の細かさで、1ピクセルに付き4.3オングストロームの分散が得られ、1回の露光で興味深いカルシウムH線とカルシウムK線からHαの波長までキャプチャーできます。ご使用のスリットにより、1ピクセル当たりの解像度は10または38オングストロームとなります。
付属の高解像度のグレーティングをナロースリットと使用することにより、2.4オングストロームの解像度と1ピクセル1.07オングトロームの分散が得られます。この装備で得られるスペクトラムの幅はわずかの約75オングストロームとなり、(高精度なキャリブレートを行うことを前提にして)この解像度でスペクトロスコピック二重星又は地球の太陽軌道中のドップラーシフトまで測定できます。 |